今回は単品管理思考法の第3弾、STEP⑴の「情報収集(必要な情報を獲りに行く)」の続きとなります。

おさらいですが、単品管理思考法の5つのステップの最初である情報収集で大切なポイントは以下となります。

① Factを掴む(事実をありのままに見る)⇒ 気づきを得る
② その道の『プロをして』を忘れる
③ 人に聞く yes but ではなく yes and で考える
④ 情報を共有できる仕組みを作る
⑤ 定量・定性の両面からの情報を収集する
⑥ データがある場合は活用する

今回は④~⑥について説明していきますが、その前に余談をひとつ。

視点の切り替え

最近ダイエットをしていることは以前のblogでも書きました。(こちらを参照
昨年のちょうど同じころ、70.4㎏であった体重が昨日は60.0㎏、昨年11月に60㎏を切ってからは順調に体重をキープし、59~61㎏の間でキープしています。
さて、色々なところで「私はダイエット中なんです」という話をしていると、「もう痩せているからそれ以上痩せる必要はないのに」と言っていただけます。
この「ダイエット」という言葉、お互いの認識の違いにお気づきでしょうか。
私にとってのこの言葉は「体重を増やさないように維持しながら、太りにくい身体を作っていく」という視点で使っています。そして後者の言葉は「体重を落とす、減らす」という意味で使っています。私がこのように言葉を使うのは、以前から太って、痩せてと、あまり健康ではない体重増減をここ十年以上繰り返していたからです。そこで体重が落ちてからが重要だと気づき、認識を改めました。
そもそも「ダイエット」という言葉にはいくつか解釈があり、辞書によって意味が若干異なっています。

【広辞苑】
(規定食の意)美容・健康保持のために食事の量・種類を制限すること。
【デジタル大辞泉】
1.健康または美容上、肥満を防ぐために食事を制限すること。転じて、何らかの方法で減量すること。
2.(比喩的に)無駄や余分を削ること。
【Wikipedia】
「食べ物を食べる」「ヒトや動物が普段から習慣的に食べている食べ物」「『身体を細くしたい』『体重を減らしたい』という目的や、医学上の理由に基づき、食事の内容を制限する」「食事療法」を意味する言葉

それぞれ少しずつ違いますよね。
この言葉の定義、認識がズレていることで、会話がかみ合わない、ということが実は日常、多く起こっています。
前回お伝えした、様々な視点でモノゴトを捉えることは情報収集(相手の使っている言葉を含む)でも非常に重要です。何かこちら側の意図が伝わっていないな、と感じるときは、言葉や現状の捉え方が相手と合っているのかを確認してみてください。

では今回の本題です。

情報を共有できる仕組み(仕掛け)を作る

情報を一人で得られない場合、または他の人と一緒に判断または行動していく場合はこれを共有できる仕組みや仕掛けが必要となります。
前述の通り、「ダイエット」という言葉ひとつとっても言葉の認識がズレており、相手と会話をするにあたって
「ダイエットって体重を減らす意味もあるけど、体重が減った後に維持することもダイエットだよね」
と相手に伝えることが、この認識を合わせる(共有する)ことになります。
または単品管理思考法の初めにお話しした際に恋人へのプレゼントの例を挙げました。
ここでは直接何が欲しいか聞くのも手ですが、こっそり喜ばせたい場合には事前に一緒に買い物に行って相手が欲しいと思っているものを探るのもひとつです。

また、仕事の場合には下記のような手段を講じます。

・定期的なミーティングで意見出しを行える環境をつくる
・コミュニケーションアプリ(LINEやSlack、Teams、ChatWorkなど)によって情報を共有する場をつくる
・ノートやホワイドボードなどで双方向の情報伝達を行う

など、その仕事や組織、共有する状況によって様々な手法があります。
こちらは機会があれば詳しく書いていきますが、一方通行の場合はどうしても認識のズレが起こってしまう可能性があるため、情報の共有は「双方向で行う」ことが重要です。

定量・定性の両面からの情報を収集する

「情報」という言葉の特性上、どうしても人の頭では「データ」というイメージが先行しがちです。
例えば官公庁が発行している人口動態や国勢調査、家計支出調査、他にも交通量調査や駅やバス停の乗降客数、過去の販売データなど、目に見えるデータは分かりやすく、そして納得性の高いモノとなります。
このデータを定量情報といいますが、これは後述するように非常に重要です。しかし一方では目に見えない情報である定性情報もとても大切です。
前回#14 単品管理思考法②|情報の捉え方の「その道の『プロをして』を忘れる」でセブン-イレブンの魚肉ソーセージの事例を挙げましたが、販売データでは売れていないから売れない、ではなく、その土地にあった食べ方があり、そして売り場があります
数字には表れないデータはこれ以外にも人の嗜好や心理、商品の使われ方、空気感、相手の表情やしぐさなど様々な場面で存在しています。
例えば同じ気温20℃でも、真冬の20℃と真夏のそれでは身体が感じる温度は大きく異なります。
数字を把握することもとても重要ですが、これに振り回されず、その数字をどう情報として捉えるかを意識してみましょう。

データがある場合は活用する

DATA

前項では定性情報の重要性をお伝えしました。では定量情報である数値のデータはどうでしょうか。
近年の技術、テクノロジーの発達で様々なコトがデータ化できるようになりました。先に挙げたデータだけではなく、GPSを利用した人流(どこからきてどこにいくのか)や、店舗の中のカメラを利用した動線、さらにはどこの売り場で立ち止まっているのか、棚にカメラをつけて目線の動きを数値化する、表情の基本的動作を覚えさせて接客相手が笑顔かどうかをデータ化するなど、これまででは考えられないような技術が実際に活用され始めています。
また、ホームページやショッピングサイトでは、どのページが多くみられているか、じっくり見られている(時間)ページはどれか、そのページから購入に繋がったのはどのくらいかなど、こちらも全てデータ化されます。
これらの定量情報であるデータはこれまで人の感覚のみで判断していたものを目に見える化するという点で非常に優れています。
また、情報が膨大になっていくにつれてこのビッグデータを活用してAIにより可視化、分析・解析され適切な情報を得られるようになっていきます。
これらは非常に進化が速く、人の判断において今後非常に大きな助けとなってくれるでしょう。だからこそデータがある場合はひとつの判断基準として振り回されないようにしながらも活用していくことが今後は大切になっていきます。

さて、これまで①~⑥までのSTEP⑴情報収集のポイントをお伝えしてきました。
このたくさんの情報を整理するのは大変ですよね。ですので次回はこの情報をどのように整理するか、フレームワークというものをテーマに挙げて解説していきます。

今回はここまでとなります。
この情報収集は単品管理思考法の目的である『すれ違い、もったいないを少なくする方法、そして重なり合っている「満足度」を大きくする方法』の入り口となります。
次回はSTEP⑴番外編、「データを整理するフレームワーク思考法」についてです。
更新を楽しみにお待ちください。


今回もお読みいただきありがとうございました。
次回は2022年3月21日更新予定です!


☆CVS実践経営塾on-line classのお知らせ☆
学びを継続して変化に対応できるスキルを身につける「場」として、在塾生および卒塾生が参加できる「on-line class」を1月からスタートしました。
1,2月の内容はCVS実践経営塾on-line Look Backをご覧ください。
次回は今週木曜日の17日18:00~20:00を予定しています。
在塾生、卒塾生の方はぜひご参加下さい!お待ちしています!
(参加費は無料です)