2月が始まりましたね。
そして節分対応お疲れさまです。
忙しい日々かと思いますが、体調に十分注意しながら楽しんでいきましょう!

さて、今回は前回の続きからです。
前回は「知識を知恵に変える方法」として学習の5段階モデルを紹介しました。
これは自分自身や相手、店舗全体がどのステージにいるかを把握し、何が必要かを整理、対応していくことでした。
今回のテーマは「コミュニケーション重要性です。

コミュニケーションの重要性

みなさんはコミュニケーションは得意でしょうか?
私はあまり得意ではありません。(というとそうは見えないとよく言われますが…)

一口にコミュニケーションと言っても実は奥深いものです。
従業員さんとコミュニケーションが取れている、という方も、例えば「〇〇やっておいて」と伝えたけれどやってくれていなかった、という経験はないでしょうか。
私のこれまでの仕事人生の中で、部下が「伝えたんですけど対応してくれなかった」という報告もよく聞きました。この『伝える』という言葉が曲者で、伝えるだけではコミュニケーションが成立していないと考える必要があります。

現場の店長さんと面談をしているとよく「夜勤の従業員さんが辞めてしまった」「夜勤が集まらない」という相談があります。
これに対して夜勤さんの仕事を見てあげられているかどうか、をお聞きしています。
例えば昼間の従業員さん(昼に店長自身が勤務している場合)に
「忙しくて□□の仕事が終わりませんでした。」
と言われたらどうでしょうか。
「確かに忙しかったし、しょうがないですよね。引き継いでおきます。(またはやっておきます)」
とお答えする場合が多いと思います。
一方で朝出勤をした時(例えば8:00頃を想定)に掃除や品出しが終わっていなかったらどうでしょうか。
夜勤は仕事をしていない、と感じてメモなどで
「ちゃんとやってくださいね」「仕事を終わらせてくださいね」
などの指示を出していないでしょうか。
もしかしたら想定外の業務(お客様対応や一部の清掃負担増など)があったかもしれません。それは実際にいない場面では見えないことが多く、できていないことのみに対して指導してしまう、なんていうことはありませんか?
さらには昼間の従業員さんが頑張って良い仕事をしてくれた時は「ありがとう」と感謝をお伝えしたり、褒めたりすることもあると思います。
夜勤さんにはどうでしょうか。
全て完璧にではなかったとしても、一部の売場の品出しやフェイスアップがしっかりと出来ていた、掃除でとてもきれいになっていたなどの仕事を日々見ることができていますでしょうか。
つまり、夜勤さんとの直接、間接(売場や仕事を見て)のコミュニケーションが取れていないことにより辞めてしまう、このような心理は少なからず存在している、ということです。
夜勤さんに指示を出したからコミュニケーションは取れいてる、これでは辞めてしまう、またはモチベーションが上がらないと思いませんか?
朝出勤した時に夜勤さんの仕事を確認し、良いところを探して出来ている部分をフィードバックすること、これだけでも関係性やモチベーションは変化します。
夜勤さんだけでなく、自分のいない時間帯の従業員さんが辞めてしまう、集まらないと感じたら双方向のコミュニケーションを意識してみてください。

コミュニケーションの「量」と「質」

当塾の宿題である『人を動かす』のReportで、ある店長さんからこのような内容の感想をもらいました。

「相手に関心を示し、お店や会社にとって重要な存在だということを誠意をもって伝える事」が相手にもお店、会社に関心を持ってもらうことに繋がるのだと気付きました。
(中略)
勤務日数の多い人とはいろいろな話をしたり、聞いたりしていましたが、日数が少ない従業員さんだと朝礼で一方的に業務指示を出すだけで終わり、彼らの話を聞く姿勢が少なかったように思います。そうであれば従業員さんがこちらの指示の意図を考えることもないし、期待した動きをしてくれないことも仕方ないことだと思います。
今後はあまり出勤回数が多くない従業員さんほど声をかけ、彼らの話を聞けるように自分を変えていこうと思います。その上で、彼らもお店にとって大事な従業員なんだよと伝えていこうと思います。

D・カーネギー『人を動かす』P111~148を読んで

とても素晴らしい気づきだと思います。
コミュニケーションは「量」も大切ですが、時間をたくさん取れない場合を意識して「質」を意識することでこれまでの関係性を変えることができます
たくさん会えないから仕方ないのではなく、少ない時間だからこそ、その時間を大切に「相手を理解する」ために使うことが大切です。

デジタル時代のコミュニケーション

電話だけでなく、メール、インターネット、オンライン会議ツールなど、ICT技術の発達により直接会わなくてもやり取りができるようになりました。さらには今の世の中の環境下、職場に出社しないリモートワークや飲み会を避けるなど、より加速しています。
ICTとは<Information and Communication Technology>の略で、日本語では「情報通信技術」となります。ひと昔前はIT<Information Technology>でしたが、ここに「Communication」、やり取りするという意味が加わりICTとなりました。
普段何気なく使っているメールやLINE、Messenger、さらにはFacebook、Instagram、Twitterなども大切なコミュニケーションのツールです。
このように、デジタルでもコミュニケーションは取れるようになってきました。
ただ、先に挙げた通り、「コミュニケーション」=「やり取り」です。
一方的に指示やお願いだけでは伝わらないのは対面でもデジタルでも変わりません。
デジタルツールを使ったコミュニケーションは先ほどの夜勤さんとのやり取り同様、顔が見えない、その場ににいないという点をより意識し、伝える内容を相手がどう受け取るかを意識する必要があります。
便利なツールだからこそ、双方向をより意識することが重要です。

マーケティング・コミュニケーションとは

コミュニケーションは人と人の直接のやり取りだけでなく、マーケティングにも使われます。
例えばブランドとは企業または商品・サービスを、他の同じカテゴリーの商品やサービスと区別するためのあらゆる概念であり、消費者の中でその商品やサービスに対して出来上がるイメージです。これも伝えたいイメージと消費者が感じるイメージがズレていた時、そのブランドの価値は高まらないでしょう。
いかに「うちはコンビニエンスストアです」といってもお客様が欲しいものが無ければコンビニエンス(便利)ではなく、お客様から価値は感じてもらえません。一方でお客様がここはドラックストアだと感じてしまっているならば薬の取り扱いがないことでがっかりされて帰っていきます。
このように、ブランドというイメージも双方向で共有できていないと伝わらない、これもコミュニケーションができていないことになります。

これは売り場も同様です。
対面販売ではないセルフサービス販売方式(お客様が自由に商品を手に取り、出口近くのレジで一括集中精算する方式)では売り場での表現や提案を行うことによってお客様に価値を伝えていきます。
よく発注について「今まで6個発注していた商品を8個に増やしたのに買ってもらえない」という相談もあります。売り場にPOPをつけたのに売れなかったという話も聞きます。
さて、2個増やしたのはお店側からすると「増量」しましたが、お客様は気付くでしょうか。売り場のPOPはじっくりと見て下さるでしょうか。
価値ある商品をお客様にお伝えして買っていただきたい場合、これも伝えた(表現した)だけでなく「お客様に伝わる」ように売り場で表現する必要があります。

さて、ここまで様々なコミュニケーションについて事例を挙げながらお話してきました。
最後に大前提として、コミュニケーションを上手く取るコツをお伝えします。

それは信頼です。

どんなに伝えようと頑張っても、これが無ければ台無しです。
・笑顔が無い
・言っていることとやっていることが違う
・話を聞かない
・約束を守らない
・売り場が汚い
・鮮度切れの商品がある
・値札が無い
などの相手、またはお店をみなさんは信頼できるでしょうか。
コミュニケーションは双方向であることを理解いただくと同時に、信頼される行動、お店かどうかも常に意識してみてください。

今回の内容が皆さんのお仕事に活きることを願っています。

「一人<仲間の価値は無限大」については次回アップいたします。

今回もお読みいただきありがとうございました。
次回は2022年2月9日更新予定です。
お楽しみに!


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