前回の「本質を捉えるたった一つの質問」に続き、今回は交通整理のお話です。
といっても、実際に誘導棒を持って街中で車や自転車の整理をするわけではありません。
今日は「頭の中の交通整理」について。
例えば信号機が故障している交差点、工事中の片側1車線の道路などで交通整理が行われていない場合、大きな事故が起こってしまう可能性がありますよね？
信号機が果たす役割も含めて交通整理は非常に重要となります。
さて、では頭の中の交通整理とはなんでしょうか。
経営、店舗運営などでは完璧な状態はなかなか実現が難しいと思います。
その為に「登る山を決める」「本質を捉える」などが必要ですが、前提として『現状』をきちんと把握することも大切です。
この交通整理ができていないと、間違った対応をしてしまい、頑張っても頑張っても問題が解決しない、効果が出ないということになりかねません。
そして人間の脳は厄介なもので、ある事柄に直面した際にこれまでの経験から「分かっているつもり」で手を打ってしまうことが多くあります。
これをプログラミングと言うそうです。
例えば「タンスに・・・」と言われたら「ゴン」と答える方が多いでしょう。
（世代によってかもしれません）
または「近くて・・・」と言われたら？「便利」と続くかもしれません。
このように、見たり聞いたりしたことに対してその後を予測する、対応してしまう、そんな経験があるかと思います。
間違っていないこともありますが、これを「慣れ」だけでやってしまう、つまり交通整理をできていない状態で対応すると先ほど述べたように頑張っているけど、という状況になる可能性があります。
交通整理の方法
ではどのように交通整理していけばよいのでしょうか。
私は常に『現状』『問題』『課題』『施策』に切り分けて考えるようにしています。
具体的には下記のように考えます。
『現状』＝ありのままの状態
『問題』＝ありのままの状態で改善が必要な部分
『課題』＝どうあるべきなのか
『施策』＝この問題と課題のギャップを埋めるためにどう手を打つべきか
例えば売上が低くて困っている、という相談をいただいた場合で考えてみましょう。
『現状』 売上が40万円
『問題』 売上が低い、客数が少ない
『課題』 売上を60万円に引き上げるために客数を100人増やす
『施策』 販促チラシをポスティングする、看板を出す、など
これを売上が低い→セールやキャンペーンを頑張ろう！だけでは客数増には繋がらず、頑張っても得たい成果が出ないといったことも起こりえます。
この頭の中の交通整理を的確に行い、それぞれを正確に捉えていくことで頑張った分の結果を手に入れやすくなります。
では「お店のトイレが汚い」といった場合の交通整理はどうなるでしょうか。
『現状』＝トイレが汚い
これはそのままですね。
では『問題』は？
⑴作業スケジュールに入っていない
⑵作業スケジュールに入っているがやっていない
⑶やり方が雑
⑷清掃の正しい方法を知らない
ここでは4つのパターンの問題を挙げてみました。
次に『課題（どうあるべきなのか）』です。
課題：トイレを常にきれいな状態で維持する
そして最後に『施策』はというと、
⑴作業スケジュールにトイレ清掃を入れる
⑵作業スケジュールを見直すorバックチェックの仕組みを作る
⑶バックチェックの仕組を作る
⑷トイレ清掃のトレーニングを行う
同じトイレが汚いという現状でも、問題が違えば施策（打ち手）が変わってくることをお分かりいただけますでしょうか。
最後の施策は『問題』と『課題』の間にあるギャップを埋めるために何をするべきか、となります。ですので問題や課題をきちんと整理できていないと問題は解決しないことになってしまいます。
何かお困りごと、お悩みごと、解決したいことがあったらぜひ上の考え方で整理してみてください。きっと成果に繋がるはずです！
交通整理の練習
最後に、今回の頭の交通整理の練習問題として、いくつかの「コト」をピックアップしてみました。
これを『現状』『問題』『課題』『施策』に振り分けてみてください。
①お客様から信頼されるお店になる
②「いらっしゃいませ」の大切さを説明して理解してもらう
③従業員さんが就業中に携帯で遊んでいる
④結婚相手が見つからない
⑤他のお店から見学されるモデル店になる
⑥女心（男心）が分からない
⑦従業員さんが「いらっしゃいませ」を言わない
⑧結婚相談所にいく
⑩小野寺に相談してみる
正解は…
直接お会いした時、またはご連絡いただければお教えいたします！
気になる方はご連絡、お待ちしております^_^
今回もお読みいただきありがとうございました。
次回は2022年1月19日更新予定です。
お楽しみに！
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